[その他]行刷相「厚労省を3分割」 文科省と併せ再編案
仙谷由人行政刷新担当相は18日、厚生労働省について、文部科学省と併せて「子ども家庭省」「教育雇用省」「社会保険省」に3分割する再編案を検討する考えを明らかにしました。国民生活に密着した年金、医療、雇用などの重要課題を幅広く抱えている現在の体制を見直し、迅速で機動的な政策判断を目指す狙いがあると見られます。実施時期は明言していません。ただ、本格的な省庁編成には複雑な利害調整がからむだけに、実現へのハードルは高いと言えそうです。
行刷相は同日のテレビ朝日番組で、厚労省について「こんなに範囲が広く日常的に問題が起こる役所はない。事業数も多すぎる」と指摘しました。実際、年金や医療、介護などの制度を改革する場合には、年度をずらして法案を作るのが常態化していました。また、政府内で税金の無駄や不正な経理を点検している会計検査院についても「国会の下に置く方がいい」と指摘しました。
民主党はマニフェストに「国家行政組織法を改正し、省庁編成を機動的に行える体制を構築する」と明記しており、子ども家庭省のほか、社会保険庁と国税庁を併せ社会保険料と税金を一体徴収する「歳入庁」構想なども盛り込みました。行刷相は都内で記者団に「長期構想のもと、厚労省に限らず、最も有効な中央省庁のあり方を考えていける材料を行政刷新会議で出す」と述べました。