[年金・医療]年金事務費の流用「4年でゼロにして全額国庫負担に」厚労相
長妻昭厚生労働相は13日、公的年金の運用にかかる印刷やシステム関連など年金事務費に保険料から毎年約2000億円を流用している問題について、「4年間でゼロにしたい」と述べました。13年度までに全額を国庫負担(税金)でまかなうように改めることを明らかにしました。
民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で「保険料流用を禁止することで、年金給付の水準を少しでも高める」とし、「年金保険料は年金給付だけに充当することを法律で定める」と明記しました。しかし、10年度予算編成では財源難から流用を続け、自民党に責められたばかりです。
年金保険料の目的外使用は04年の年金制度改革時に問題化されました。批判を受け、自公政権は05年度から福利厚生や公用車費などは税金に切り替えたものの、システム経費や給付・徴収経費といった年金事務費には引き続き保険料を充てました。
これに対し、長妻氏ら民主党議員は「目的外の流用だ」と批判し、衆院選マニフェストでは「年金保険料流用禁止法案」の策定を約束しました。
しかし、いざ予算編成に着手すると、即座に財源難の壁に直面し、結局10年度予算では例年とほぼ同額の2046億円の保険料を事務費に回さざるを得なかった背景があります。