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[年金・医療]企業年金積み立て不足、決算期ごと一括計上

 上場企業が社員の年金や退職金の支払いに備えて積み立てるべき額の不足分に関する会計処理が大きく変わります。日本の会計基準を定めている企業会計基準委員会は11日、2012年3月期から企業年金の積み立ての過不足額の全額を、決算期ごとに決算書類に明記することを求める草案をまとめました。

 企業が退職者に支払う企業年金は、予定していた運用利回りが確保できなければ積み立て不足が発生します。現行基準では不足額を営業費用などとして数年かけて分割処理し、費用処理した分を負債として貸借対照表に計上しています。

 現在の仕組みでは、財務への影響は限定的になります。しかし、巨額の積み立て不足が発生しても貸借対照表には全額が記載されず「簿外」となるため、「隠れ債務」となるケースがありました。新基準案はこうした「簿外債務」の解消を狙っています。

 この草案は、10年中に最終決定する見通しです。01年3月期に年金・退職金の費用処理を義務付ける年金会計が導入されて以来の大幅な改定となります。

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