[判例]京都地裁でバス運転手の解雇撤回を命令
酒気帯び状態で出勤したとして懲戒解雇された京阪バス(京都市南区)の男性運転手(48)が、不当解雇だとして同社に地位確認と未払い賃金の支払いを求めた訴訟の判決が15日、京都地裁であり、和久田斉裁判官は、社内報告にねつ造の疑いがあり酒気帯びと断定できないと判断。「解雇権の乱用」だとして解雇の撤回を命じました。
判決によると、男性は平成4年に入社。09年6月17日午後に同僚宅で飲酒し、翌朝の出勤時の飲酒検知でアルコールが出ました。担当助役の報告書には酒気帯びの基準(呼気1リットル中0.15ミリグラム)未満と記載されていたのに、所長は「酒気帯び」と本社へ報告し男性は解雇されました。
和久田裁判官は、証人尋問などで報告書の複数箇所が改ざんされたのは明らかと指摘し所長が「誤った報告の発覚を隠すため、文書を改変した疑いがある」と判断しました。
京阪バスは「判決文を見ていないので、現段階ではコメントできない」としています。