[年金・医療]年金支給額引き下げを決定 2011年度0.3%
政府は20日、2011年度の公的年金支給額を5年ぶりに引き下げる方針を決めました。
公的年金制度には物価水準を年金支給額に反映させる「物価スライド」が導入されていますが、前年の全国消費者物価指数を基準年と比べ、翌年度の支給額に反映させることが定められています。
10年の物価指数は基準年である05年の水準を下回るのが確実なため、年金支給額は引き下げられることになります。
厚労省は現在、年金額の引き下げ幅を0.3%程度で調整しており、40年間保険料を納めた人の基礎年金の満額(66,008円)受給者で、月200円、年額で2400円程度下がる見込みです。また厚生年金では夫婦のどちらか一方が働く家庭で月700円程度の引き下げとなる見通しです。
来年春の統一地方選を控えて引き下げの影響を懸念し、当初首相は見直しを指示していたということですが、物価も賃金も下がっている状況下での年金支給額の据え置きは、公的年金への信頼を揺るがし、実質的な引き上げともなるため、次世代間のへの負担のつけ回しという批判を避ける決定となりました。