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[労働法]福岡市タクシー会社、就業規則で過剰制裁―駐車違反減給30万円

 福岡市早良区のタクシー会社が、駐車違反容疑で摘発された運転手について、労働基準法に違反の疑いのある減給の制裁処分を就業規則としている疑いがあることが判明しました。

 元運転手らの労基署への提出資料等によれば、同社は2009年7月「駐車違反者は、1件につき10万円。その月の給料引きとする」とする書類を作成していました。2010年6月には、1件当たりの減給額が30万円に引き上げられたとのことです。

 労働基準法では、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」とされています。30万円の減給を行うには、賃金が1日60万円支払われていなければならないことになります。この定めに違反した場合、事業主に30万円以下の罰金が科されます。

 また、タクシー会社は年間に10回駐車違反容疑で摘発された場合、道路運送法に基づき車両使用停止の行政処分が科される。

 同社関係者によれば、5月上旬、元運転手らは会社から一方的に過剰制裁である就業規則変更書類に署名させられたことについて労基署に相談しました。同社は、駐車違反をした運転手数人の給与から制裁金を分割で毎月1万円徴収する等しているといい、その中の2人は数万円の給与に対し1万円も引かれ納得できないことを理由に辞職したのことです。

 現在、福岡中央労働基準監督署は、同社の減給処分について労基法違反の疑いがあるとして関係者から事情を聴いており、同社に対する行政指導を近く行うことを検討していますが、今年5月に元運転手らから相談を受けるまで同社への事情聴取や指導は行っていないとのことです。

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