[年金・医療]68〜70歳引き上げで議論スタート ― 年金支給開始、慎重論も−社保審部会
社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の年金部会は2011年10月11日、2025年度(女性は5年遅れ)までに段階的に65歳に引き上げることになっている厚生年金の支給開始年齢を、68〜70歳にさらに引き上げることや、65歳への引き上げ時期の前倒し案の検討に入りました。政府・与党が6月に決定した社会保障と税の一体改革案を受けましたが、現状で65歳までの雇用確保は進んでいないとして、出席者からは慎重論が相次ぎました。
政府・与党の一体改革案は、年金財政の悪化や平均余命の伸びを踏まえ、厚生年金の支給開始年齢を欧米並みに68〜70歳へ引き上げる方針を提示しました。支給開始年齢の引き上げ時期を前倒しする考えも盛り込んでいます。
厚生年金の支給開始年齢は、基礎年金部分は60歳から65歳への段階的引き上げが進行中。報酬比例部分は現在は60歳からですが、13年度から段階的に65歳に引き上げることが法律で決まっています。同部会では、厚生年金の支給開始年齢を3年ごとに1歳ずつ引き上げて25年度に65歳とする現行のスケジュールを、1年ずつ前倒し、21年度に65歳とする案を議論。さらに(1)現行のスケジュールのまま(2)前倒し後の早めたペース−で支給開始を68歳まで引き上げる案も取り上げました。各案とも厚労省がこれまでに例示していたものです。