[年金・医療]年金支給開始年齢引き上げ、会社員と公務員の年金一元化、先送りへ
小宮山厚生労働相は26日の衆院厚生労働委員会で、厚生年金の支給開始年齢の68〜70歳への引き上げについて、来年の通常国会では法改正を行わない意向を示しました。 また、会社員の厚生年金と公務員の共済年金の一元化についても先送りの方向。小宮山洋子厚生労働相は26日の衆院厚生労働委員会で、「(関連法案を)2012年に出すことは厳しい。中長期的に必要だが、直近にすぐやることではない。来年の改正案として国会に出すのかと言えば、そういうことではない」と慎重な姿勢を示しました。ただ、省内の事務方は法案提出に前向きで、足並みが乱れています。
支給開始年齢の引き上げは、社会保障審議年金部会で検討していますが、給与と年金の両方が支給されない期間が生じる可能性もあり、同部会の委員からは「高年齢者の雇用確保が前提だ」と慎重論が出ています。
厚生年金と共済年金の一元化は、自公政権が07年に国会に法案を提出しましたが、当時は民主党が反対し、審議されないまま廃案になりました。今年6月の「税と社会保障の一体改革」では、民主党の掲げる年金改革が中長期の課題とされ、代わりに現行制度の改善策として盛り込まれました。
ただ、民主党に対しては、公務員労組の支援を受けているため、本音では一元化に後ろ向きとの見方が根強くあります。一方、省内は消費増税などを進めるうえで、「厚遇批判がある共済年金が手つかずのままでは国民の理解が得られない」との受け止めが大勢です。