[判例]23歳過労死 自殺の男性社員を労災認定
キリングループの東京キリンビバレッジサービスの男性社員(当時23)が、過重労働が原因で精神疾患を発症して自殺したとして労災を認定、品川労働基準監督署が2011年10月5日付で労災保険の給付を決定しました。
男性側の代理人弁護士によると、男性は高校を出て2005年に同社に入社。車で東京都内の自動販売機を回り、飲料水の補充や交換、売上金の回収をする仕事をしていましたが、10年3月に品川区の営業所に移ってエリアが拡大。自販機約80代を1人で担当し、同年4月13日品川区内の営業所から飛び降り自殺しました。
品川労基署は、09年10月〜10年3月の半年間で男性の毎月の時間外労働は平均81時間、最長で92時間だったと認定。
亡くなった4月は季節の変わり目で商品を入れ替える繁忙期に当たり、時間外労働は13日間で63時間と、月120時間を超えるペースでした。1日15時間労働、3時間睡眠が続き、男性は精神疾患にかかりました。
男性側は、それ以前も、時間外労働が恒常的に月60〜90時間に上っていたのに、残業代は月千数百円しか支払われていなかったとしています。