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[年金・医療]厚生年金の適用拡大、負担先送りへ―厚労省・社会保障改革案

 2011年12月5日、厚生労働省は社会保障改革推進本部を開き、消費税率引き上げに向けた社会保障制度改革案をまとめました。低所得者の年金受給額を加算するための法案の来年の通常国会への提出のほか、短時間労働者への厚生年金の適用拡大について、事業者負担で影響が大きい中小企業に対し導入猶予期間を設ける激変緩和措置の検討等を盛り込みました。

 社会保障制度改革案は2011年12月7日に開催される民主党の社会保障と税の一体改革調査会に報告されます。政府・与党は、厚労省案や民主党の作業部会などがまとめた案を土台に議論を本格化させ、消費増税の時期や税率を含めた一体改革大綱素案の年内の策定を目指しています。

 改革案は、過去の物価下落時に特例で年金額を据え置いた結果、本来よりも2.5%高くなっている支給水準の減額を、平成24年度分から実施することも明記されています。一方、消費税率引き上げにより所得の少ない人ほど負担が増す「逆進性」対策として、低所得者の基礎年金を加算する制度の創設を盛り込んでおり、医療・介護分野でも低所得者の保険料軽減を拡充することとなっています。

 安住財務相は12月6日の閣議後記者会見で、野田首相から2011年内に取りまとめるよう指示を受けた社会保障と税の一体改革の素案に関し、消費税率の引き上げ時期について概ね何年のいつからとの明記をしたいと語り、「ある時点から」消費増税に伴う低所得者対策などを実施する必要性について言及しました。

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