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[判例]養老保険満期保険金額から控除可能な額は自己負担分のみ

 2012年1月13日、養老保険の満期保険金の所得金額計算上、会社が負担した保険料も収入金額から控除できるか争われていた裁判で、最高裁は「一時所得に係る支出が、収入を得るために支出した金額に該当するためには、支払を受ける本人自ら負担したものといえる場合でなければならない」との判断を示し、本人以外が保険料を負担した場合でも満期保険金から控除できるとして納税者側を支持した福岡高裁の判決を破棄する判決を下しました。

 この事件では、会社を契約者・死亡保険金受取人、会社経営者を被保険者・満期保険金受取人とする養老保険契約が締結されていました。会社が支払う保険料の半分を被保険者に対する貸付金に、残り半分を保険料として損金経理していたとのことです。損金経理とは、決算において費用又は損失として経理を行なうことをいいます。

 満期保険金を受け取った被保険者が、損金経理部分も含め支払保険料の全額を満期保険金から控除して申告したところ、税務署では、損金経理部分は控除できないとして更正処分をしたことから、更正処分の取消しを求め提訴。1審、2審では納税者側が勝訴したため、国側が上告していました。
養老保険の満期保険金の控除額に関する裁判は複数行われており、1月16日の最高裁判決でも同様の判断が示されています。

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