[労働法]うつ病「労災」労働基準監督署の決定覆す
磐田信用金庫の子会社に勤務している男性社員が発症したうつ病を巡り、静岡労働者災害補償保険審査官が、労災申請を退けた磐田労働基準監督署の決定を覆し、労災と認定していたことが24日、わかりました。
男性は同年6月、2人からパワハラを受けたとして、磐田労働基準監督署に労災を申請。「辞めてしまえ」「明日から来るな」などと繰り返し罵倒されたほか、業務日報の細かい書き直しを指示されて自宅で作業を命じられたり、コピー用紙が入った段ボール40箱を1人で倉庫に運ぶように指示されたりしたなどと訴えました。
労働基準監督署は11年5月、「業務要因による心理的負荷は『中』程度で、業務による発症とは認められない」と請求を退けましたが、男性は再審請求し、労災保険審査官は今年3月、社長らの言動について「業務指導を逸脱して人格や人間性を否定する内容が含まれ、うつ病を発症させて悪化させたと考えられる」などと労基署の決定を取り消しました。