[判例]マック元店長の過労死認定 発症日、残業時間見直し 神奈川労働局
勤務中にくも膜下出血で倒れ、死亡した日本マクドナルドの元女性店長=当時(41)=の遺族が遺族補償年金などを求めた労災申請について、神奈川労働局労災保険審査官は27日までに、長時間労働による過労死と認定、労災を認めなかった横浜南労働基準監督署の不支給決定を取り消しました。
遺族は「日本マクドナルドの経営者には、二度とこのようなことが起きないよう改善してほしい」とコメントを出しました。
遺族を支援する連合や決定書によると、女性は横浜市の店舗の店長だった2007年10月16日、川崎市で開かれた講習中に倒れ、搬送先の病院で3日後に死亡。勤務記録上は07年1月以降の月残業時間は、5時間半~45時間程度でした。
遺族は08年9月、横浜南労基署に労災を申請し、残業時間を計算する資料として通勤に使った車の駐車場の入出庫記録や、携帯電話メールの記録などを提出しました。
その結果、労基署は女性が倒れた日を発症日とし、直前6カ月の月平均残業時間を約77時間と認定しましたが、厚生労働省の過労死認定基準「発症前1カ月間におおむね100時間か、2〜6カ月間に月80時間を超える残業」を下回り、今年2月に遺族年金などの不支給を決定しました。
遺族は4月、決定を不服とし神奈川労働局に審査請求し、労働局は、女性が知人に送った頭痛を訴えるメールなどから、くも膜下出血前兆の頭痛を07年9月28日には発症したと認定し、平均残業時間は過労死認定基準を上回る約81時間になりました。