[年金・医療]日本年金機構が始動 「お客様」意識新たに
旧社会保険庁の年金業務を引き継いで新設された日本年金機構(理事長=紀陸(きりく)孝・元日本経団連専務理事)の業務が4日、始まりました。社保庁の廃止に伴って移行した非公務員型の組織で、年金の給付や保険料徴収などを担います。社会保険事務所から改称した全国312の「年金事務所」は、窓口での待ち時間短縮などの具体的な指標を掲げ、国民目線のサービス徹底を目指します。
職員は約1万2千人。約1万人は社保庁から移り、管理職を含め約2千人を民間から採用して接客やコスト意識の向上に生かしていくといいます。
長妻昭厚生労働相は式典で「信頼回復のチャンスをいただいての再出発。国民の老後を支えるのは自分たちだとの使命感と誇りを持って職務に励んでほしい」と強調しました。
各地の年金事務所は4日から「お客様へのお約束10カ条」を掲示しました。「その場でお答えできない場合は2日以内に確認状況をご連絡」「お客様にプラスとなるもう一言を心がける」。ずさんな接客や窓口対応のために記録漏れの被害などが広がったことへの反省から、「目の前のお客様は職員が頼り」との意識を徹底させるのが狙いです。
式典後、旧社保庁出身の職員は「民間出身者が入るなど、組織も人も大きく変わる。戸惑うことも多いかもしれないが最初が肝心。皆で意見を出し合って質の高い組織をつくりたい」と気を引き締めていました。