[年金・医療]旧社保庁、複数の元幹部 宙に浮いた年金、発覚以前「知っていた」
年金記録の持ち主が分からない「宙に浮いた年金」について、旧社会保険庁が全職員とOB計1万7649人を対象に昨年末実施した調査で複数の元幹部が07年の問題発覚前から問題の存在を認識していたことが分かりました。
調査は長妻昭厚労相の指示で、昨年12月に旧社保庁職員や元職員ら1万6612人(94.1%)が回答し、厚生労働省や同省の「年金記録回復委員会」が解析中で、25日の同委員会で、旧社保庁設立以来の部長以上の大半にあたる47人の回答が個人名を伏せて公開されました。
その中には「(在職時に)基礎年金番号が同一人に二つ以上付番されたケースが相当数あり、名寄せに数年要すると説明を聞いた。その後記録問題が明らかになった」「被保険者が最終的に受給(手続き)時に対応できると思っていた」などの回答がありました。
このほか、厚生年金記録の中に「実在しない事業所」や脱税目的などのための「幽霊加入者」や加入者がゼロの事業所の存在を指摘する回答もあり、虚偽の記録による「でっちあげの年金」につながる恐れもあり、さらに整理分析を進める方向です。