[年金・医療]「80%」は現実離れ、国民年金保険料納付率の目標撤回
日本年金機構は4日、「80%」としている国民年金保険料の納付率について、現在の政府目標を撤回、現実離れした目標を見直して、2010年度から引き下げる方針を決めました。保険料納付率は02年度から60%台で低迷を続けており、低落傾向に歯止めをかけることに主眼を置きます。
納付率に関する政府目標は03年、旧社会保険庁が「07年度に80%を達成する」と設定し、強制徴収の強化など納付率向上を図りましたが、目標に届いた年度はありません。
日本年金機構は、同日開かれた長妻昭厚生労働相直属の年金記録回復委員会への報告で、具体的な数値は明示せず、10~13年度の4年間の「できるだけ早い時期に09年度実績を上回ることを目指し、その後さらに改善」としました。
09年度の納付率は、公表済みの4~10月は7カ月間、58.0%で、最終的には、過去最低だった08年度の62.1%を下回る可能性もあります。新たな目標は、大幅な下方修正を意味します。