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[判例]内々定取り消し 二審も企業側へ賠償命令も金額は減らす

 企業が採用の内々定を取り消したのは違法として、福岡県内の大学に通っていた男性が、マンション販売のコーセーアールイー(福岡市)に約115万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、福岡高裁であり、広田民生裁判長は85万円の支払いを命じた一審・福岡地裁判決を変更し、賠償額を22万円に減額して支払いを命じました。

 広田裁判長は「内々定の撤回には経営上の理由があったが、事前連絡や経緯の説明に不十分なところがあった」と指摘しました。

 判決によると、男性は2008年7月に同社から内々定を得ましたが、同10月の内定式の2日前に取り消しを知らせる文書が届き、採用されませんでした。文書には「金融危機や原油高騰など複合的要因」が理由と書かれていたとのことです。

 判決は内々定について「内定までの間、企業が新卒者を囲い込み、他の企業に流れるのを防ぐ活動」とし、一審に続いて労働契約にはあたらないと判断。内定式の直前に一方的に取り消したことは、労働契約を結ぶ過程での信義則に反するとして違法性を認めましたが、慰謝料は一審から大幅に減らしました。

 原告側の光永享央弁護士は「男性が受けた被害に対する慰謝料としては疑問。内々定取り消しの抑止という点では不十分だ」と指摘し上告を検討するといいます。

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